平成22年に、福岡障害者能力開発校で視覚に障害のある生徒の受け入れが始まり、同年4月から授業が行われることに伴って、視覚障害生徒の指導や支援にあたる教員の1人として、初年度(第1期生の年度)より任用して頂いている。
視覚障害者のクラスは定員5名。
高等専門学校のように高度なIT技術を学ぶというより、重度視覚障害者のクラス自体はどちらかと言うと、視覚特別支援学校の専攻科情報処理学科のようなイメージがある。
自立活動全般と、自立教科(パソコン操作)の一部を、中村が担当している。
教育上の考え方と目的
1.視覚に障害のある生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点から、生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握し、生活又は学習上の困難を改善・克服すると共に、個々の持てる力を高める為に、適切な指導と必要な支援を行う。
2.視覚その他の障害による学習上・生活上の困難を克服し、自立を図る為に必要となる知識や技能を身に付けさせることを、主な目的とする。
生徒について
全盲やそれに近い生徒と、弱視の生徒が、同じクラスで学んでいる。
障害を負った時期も様々で、先天的な視覚障害の生徒から中途の視覚障害の生徒まで幅が広く、成人後かなりの年月が経ってから視覚に障害を負った生徒もいる。
先天的な視覚障害の生徒の中にも、盲学校(視覚特別支援学校)で学んできた人と地域の学校の普通学級で学んできた人がおり、さらに同じ盲学校でも在籍していた学校によって様々な違いがみられる。
障害に対する両親の理解度や育て方、家庭内での人間関係を含めた生育環境1つが、生徒本人の自立を阻んでいるケースがあった。
年度(1年間)の大まかな流れ
生徒1人ひとりの状況把握 → 全体的な授業計画と指導計画の作成 → 自立活動の指導・各教科の授業(個に応じた適切な指導) → 年度末の総評。
自立活動の指導や各教科の授業にあたっては、個別の指導計画の策定から始め、PDCAサイクルに基づき実施している。